法律から見た再生可能エネルギーの今

バレンタインデーのチョコは苦かった。経済産業省は672件の太陽光発電の設備認定(42円)を取り消すと発表

ベーカー&マッケンジー法律事務所
弁護士 江口直明
【2014年3月11日】

3. M&Aの促進

  自分の力では契約を締結することができなければ、①土地、②設備認定及び③接続申込の地位の3点セットを第三者に売却して、資金を回収するという方法もある。もっとも取消に瀕している権利であるから、売却する値段は足元を見られてかなり叩かれてしまうかもしれない。しかし、ゼロよりはまだましであろう。ひところ3点セットの値段はMWあたり5000万円もの値段がついたが、シンデレラの馬車が元のかぼちゃに戻ろうとしているときの値段はMWあたり1500万円もつかないかもしれない。設備認定だけを取り、開発を怠って設備の価格が下落するのを待っていた事業者から設備認定を取り上げ、余った系統連系可能容量を真面目に投資を考えている新規の投資家が活用できるようにする今回の措置は、日本全体としてみれば健全な制度の運用と考えられる。再生可能エネルギー固定買取制度は再エネ導入を促進するため、国民が毎月100円程度を通常の電気料金に上乗せして支払い支えている制度であり、不当な業者に棚ぼたの利益を与えるための制度ではない。

4. 今後の運用

  資源エネルギー庁の発表では今後(2014年度)の設備認定については、総合資源エネルギー調査会の下に設置する新エネルギー小委員会、買取制度運用ワーキンググループにおいて、その運用のあり方について検討するとある。同ワーキンググループ第2回のの2月28日の配布資料で買取価格の決定から「一定の期日」の間に土地と設備の確保ができない場合には、認定の取消又は適用価格の引き下げをする案が示されている。「一定の期日」の長さについては、実際の土地・設備の確保についての報告書徴収の結果から6ヶ月から8ヶ月が示されている。もっともこれらの結果は初期の比較的土地の問題が少ない案件の所要期間であるから、今後難しい土地が増えていくことを考えるとと少なくとも1年は猶予期間を設定して頂きたいところである。現場で地主と交渉している立場からすると、土地の購入や賃借の交渉はかなり時間がかかるのが実感である。一定の期間が設けられると、買取価格を確保した時点からタイマーが回り始めるので、タイマーが回る前に土地の確保をまず十分行うことが好ましい。土地確保に目途が立ってから、設備認定を取り、接続契約の申し込みを年度末の3月ぎりぎりに行い、そこからタイマーを回すという実務になろう。3月に接続契約の申込が集中する弊害も考えられる。

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