進化するLED~その市場の昨今と、優れた特性とは~

株式会社EL&EL(エル&エル)
照明士(学会認定:第 29213 号)
シニア・照明コンサルタント 鴨下邦広
【2014年5月28日】

■波長の調整がしやすいという優位性

  数年前に農業用LEDに関するビジネスに携わり、その時から私はLEDに着目するようになりました。野菜の有機栽培を行う農家を訪れ、回っていく中で、LEDを使用した有機野菜の栽培を検討されていた先進的な農家さんとお会いして詳しくお話しを伺う中で、LEDとはこんなにメリットのある光源なのだということを実感したのをきっかけに、ビジネスを行うようになりました。そのとき感じられたメリットの一番はやはり「省電力」と、今では誰もが知っている「長寿命である」ということです。そしてもうひとつ、私が着目したLEDの特性は光の波長の調整がしやすいことです。

  光には「波長」があります。太陽の光をプリズムに通すと虹のような色の帯ができますが、この色の帯をスペクトルと呼んでいます。スペクトルは赤から、橙、黄、緑、青、藍、紫、の順に色が並んで見えますが、これはそれぞれの光の波長の長さが違うために生じる現象で、最も波長の長い部分が「赤」、短い部分が「紫」に見えるというものです。そしてこの領域の光が所謂「可視光線」、私たちが目で見ることのできる光です。LEDはこの波長をうまく調整することが出来るです。たとえば野菜の栽培であれば、レタス栽培に向く光の波長にしたいとか、例えば害虫駆除に向くような波長にしたいだとか、そういった波長の調整がLEDはしやすいのです。そういう特性を利用して、さまざまなLEDの商品開発ができるのではないかと考えたのです。またそれと同時に、ここ数年で価格帯も導入する側のお客様にメリットがある形でご購入頂けるぐらいまでに落ち着くだろうとは予想できました。そうでなければいくら省エネ効果に優れ、長寿命であっても商品として成立しないからです。

■演色性の高い光源を求める現場に特に最適なLED

  LEDの一番の魅力はやはり省エネ効率の高さだと私は考えていますが、付け加えますとLED照明の場合、省エネの即効性が非常に高く、そして省エネがわかりやすいのです。導入前の検討段階で非常にわかりやすい商品、と言えるのです。これはどういうことかというと、単純に『40Wの蛍光灯を使うのに対し、LEDなら20Wです』となれば、点灯時間が同じであればこれは消費電力を50%削減できるということが見えるわけです。LEDは照明ですので確かにその事業場における全体のエネルギーの使用量でみれば決して多くはないでしょうが、それでも削減は50%以上できる。この削減率を考えてもLEDの大きな強みと言えるでしょう。

  また省エネ効果だけでなく、長寿命という優れた特性を持つLED。たとえば通常の白熱電球の寿命は1,000時間程度で経年劣化してきて初期照度から30%減衰、もしくは同時期に導入した球の半分が切れてしまういわゆる「定格寿命」の時期となります。これに対してLEDの寿命は40,000時間。40倍です。この長寿命がもたらす効果としてはランプの交換費用の軽減と交換作業・メンテナンスにかかる手間や経費を圧倒的に少なくできるという点です。毎年計上していたランプ交換・メンテナンスの費用がLEDにすることにより10年間分浮きましたとか、計上せずに済むようになりました、となるわけです。この効果に期待してLED化を検討する企業も非常に多くなっています。

  ではLEDには弱みがあるのかと言うと、ひとつあげられるのが、光の指向性が強い(ビーム光である)ことではないかと私は考えています。蛍光灯のように配光分布が360度バランス良く建屋内にいかないというケースがあるのです。照明メーカーがこれを克服するには、LED素子の特性上限界がある照射角度をいかに広配光にして、できるだけ既存のランプに近い、照度均斉度のとれたLED照明商品として作り上げられるかのノウハウが必要でしょう。私自身も自社で開発したものを納めさせていただき、お客様には光が非常に目に優しいし、今までの水銀ランプなり蛍光灯と比べて違和感が無く、以前と比べて、より明るくなったとご評価をいただいたケースはいくつかあります。

  同じようにLED照明をカスタマイズするようなケースでよくあるのは冒頭で述べました演色性の部分です。私たちがLED照明の開発に着手した頃は、Raが70~75ぐらいのレベルでしたが、現在は確実に80までは上がってきています。しかしそれ以上のものを求める、例えば色を厳しく評価するような現場等では、もっと太陽光に近い演色性のLED照明が必要になってきます。私も自社ではそのようなニーズを捉えて商品を開発しており、特にRa95の商品はお客様から喜ばれヒット商品となっており、主に印刷業界、印刷機械メーカーや印刷会社の品質管理部門や校正、画像処理等を行う部門に導入されています。色再現に対して非常に厳格な現場で求められる演色性ということになるわけです。ですから色評価用の光源かどうかを判断するために、市販のインジケーターや演色性評価カードを使ってLED照明と既存の色評価用蛍光灯、そして北窓の12時の太陽光とを見比べれば結果は一目瞭然です。
  他にも、写真の現像・プリント等を行っている企業の現場や、化粧品の会社の研究所等にも導入しています。同じ現場でもこの部屋だけはRaの極めて高いものが欲しいと求められるお客様もおります。今後、業界や現場の役割、場所によってはそれほどまで演色性の高い光源が必要になるということがわかります。

  このようにLED照明に求められるのは省エネ能力はもちろんですが、それだけではなく、LEDの持つ特性や機能を、さまざまな現場に、その現場に合った形で、導入されることが望まれているのではないでしょうか。

  こと色評価ということに対してのプライオリティが高い業界でのLEDの価値について話してきましたが、そのような導入場所であっても、もちろんLEDですから省エネ効果は大前提です。他のスペースはすでにLED化したけど、ここのスペースだけはLED化ができなくて、という企業が多いのです。例えば1年前に普通のLEDは入れたけど、この場所はLED化できなかった。なぜなら色評価ができない光源だから、というようなケースがあるのです。省エネしながら最適な照明環境を実現すること。そのようなニーズが圧倒的に多くなっているのです。

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