進化するLED~その市場の昨今と、優れた特性とは~

株式会社EL&EL(エル&エル)
照明士(学会認定:第 29213 号)
シニア・照明コンサルタント 鴨下邦広
【2014年5月28日】

■効率を追求したタスクアンビエント照明方式の実用

  照明をLED化して省エネを図る際に私が注意すべきと考え、実行していることがあります。LEDの直接的な性能や特性とは違いますが、照明学会でも推奨しているタスクアンビエント照明方式の実用です。

  例えばある建屋内には既設水銀灯が100台あるとします。それをそのままLED照明に交換すると80%も省エネになります。例えば400Wの水銀灯に対して私が提案するLED照明は70Wぐらいですから、消費電力は80%も削減できるわけです。しかし、そこでもっと詳しくヒヤリングを行って、本当にこの場所の照度は適正であるかを照度設計で導き出し、100台ある灯具を間引きすることもできるわけです。そうすれば100台を全部交換する場合でも80%も削減できるのに対し、間引きして交換できれば電力料金の負担はさらに軽減され、導入コストも圧縮できるというメリットがあるわけです。ベース照明の消費電力を下げ、本当に必要な机上面・作業面のタスク照度をきちんと確保しましょう、というようなやり方です。さらに用途によって、例えば通路やロッカールーム、トイレのように、頻繁に使わない、使うときだけ点灯すればいいような場所には人感センサー付の灯具を使用すればさらに削減できるというわけです。このように、今やその現場に最適な照明環境を実現するにはLED照明と照度設計は欠かせなくなっています。

従来の照明方式とタスクアンビエント照明方式の図解

  何より省エネ効果で社会に貢献できる能力を持ち、機能の面でも多様性に優れたLED照明は今後もどんどん進化し、価格面でも導入しやすくなってくるでしょう。また導入時の工事についても特に複雑なことはありません。既存の灯具を流用する場合は安定器のジャンパー工事でLED管を取り付けるだけです。また灯具ごと交換する場合は開口部の寸法を確認して、これに合うLEDの灯具一体型を機種選定します(もし合わなければ付帯工事が必要です)。また、水銀灯タイプに関しても今ある灯具を外付けの安定器と共に外してFケーブルでつけて結線するだけです。蛍光灯タイプの口金の規格は現在の日本では2つあります。JIS規格のJEL801と802(GX16)、既存の蛍光灯の規格だったG13です。現在のところ、リプレイス――いわゆる既存の灯具を利用してそのままLED管を交換――するほうがイニシャルコストが安くすむため、まだまだG13の規格のほうが伸びてはいますし導入実績も多いですが、新築案件等では当然大手メーカー製のJEL801と802が増えてきています。規格や工事については導入を検討する際にメーカーや工事会社の説明を受けることが必要です。メリット・デメリット、そして費用や効果、課題についてを判りやすく説明し、信頼に足る提案をしてくれる工事会社やメーカーを選ぶことが大切です。

■省エネの担い手として今後も進化が期待できるLED照明

  私たちの生活圏、身近なところにもLED化が進む照明が増えてきています。例えば看板やサインは早期にLED化が進んでいます。よく見かける緑色の避難誘導灯も早期にLED化され、大きな省エネとなっています。また、これからは地球温暖化の延長線上にある食糧難や水不足等、生活の中で危機にさらされるようなことがあるかもしれません。そう言った背景の中、私がこれからのLED技術の応用として面白いと思っているシステムに植物工場があります。

  植物工場は、植物の生育に必要な環境を、空調や養液供給、そしてLED照明で人工的に制御し、農地以外でも設置できて季節を問わず1年間安定して生産できる水耕栽培のシステムで、太陽光の代わりに人工光源を照射するというものです。栽培するものによって適した光の波長が違うのです。例えばレタスならこの波長領域をたくさん照射したほうがいいとか、イチゴはこの波長領域の光を多く、別の波長領域を少く照射したほうがいいだとか、条件はいろいろですが、ここでもその波長の調整がしやすいというLEDの特性が活かされているということなのです。
  多くの人が、最適な照明環境のもとで働き、生活を営みながら、省エネできる。LEDは今後もその担い手としてその進化が期待できると考えています。

以上

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