日本とドイツのFIT制度

第5回
ドイツの再生エネは失敗しているってホント?
~今、ドイツで起きていることの真実

日本再生可能エネルギー総合研究所 代表
株式会社日本再生エネリンク 代表取締役
北村和也(きたむらかずや)
【2014年6月11日】

賦課金の高騰と戻ってくる賦課金

続いて、FIT制度に伴う賦課金のお話です。ドイツの賦課金がどんどん高騰しているのは事実です。今年の賦課金は、1kWh当たり6.24ユーロセントで、現時点でのレートでおよそ8円強です。平均的な家庭(年間3500kWh使用)で一年に3万円程度を賦課金として払うことになります。これは大きな家計への負担額で、政府も様々な対策を検討しています。

ドイツ家庭の電気料金は周辺国に比べても高くなっています。一部の国は別にして、欧州では2番目、デンマークの次ぎです。1kWh当たりの電気代が30円数円にもなっていて、値上げを続ける東京電力をも上回ります。

しかし、電気料金が高い主な要因は必ずしも賦課金の高騰ではありません。ドイツの家庭の電気料金は、賦課金を除いても、全体の3分の一が税金などの公的な料金です。これが発電原価に上乗せされています。このため、税金などを除いた電気料金を比較してみると、日本が大きく上回り、日本の家庭は世界で一番高いと思われる料金を払わせられている実態が明らかになります。

忘れがちですが、もうひとつ見落とされている側面があります。賦課金は払うばかりではなく、それを売電収入としてもらう側があります。メガソーラーの例のように、日本では大きな企業ばかりが売電収入を受け取っている印象があるのですが、ドイツではかなり日本と違っています。再生エネの発電施設を所有しているのは、全体の40%が個人です。これにバイオガスプラントを所有する多くの農家の10%を足すと、個人や住民の50%が売電収入を受け取っているのです。つまり、賦課金の半分は個人の懐へ戻ってくるという訳です。

PAGE TOP ▲