ene-maga:阿蘇太陽光発電道場

最高の施工品質を目指して

風光明媚なカルデラ台地と阿蘇山がある熊本県阿蘇地方。その阿蘇山の麓に位置する阿蘇太陽光発電道場が今回の舞台です。

蓄電・節電.comは、太陽光発電の設置から空調・照明設備等の診断や更新など、企業の抱えている問題を解決するため、高付加価値のコンサルティング提案~設計~施工~保守&メンテナンスまでを一手に引き受ける総合エンジニアリングサイトです。

蓄電・節電.comでご提供する太陽光発電システム。設置する場所や施工主様の業種も様々です。状況に応じて的確かつ高度な施工が求められる太陽光パネル設置の現場で、不具合のない施工管理を目指して全国から選抜された研修生が日々研鑽しています。

ここ、阿蘇太陽光発電道場で学んだ修了生たちは現在あらゆる現場で活躍しています。
日を追うごとに技術や知識を身につけていく研修生に密着しました。

施工概要

所在地:熊本県阿蘇市 / 運用開始:2012年4月~ / 太陽光パネル:500枚以上

阿蘇太陽光発電道場ってどんなところ?

蓄電・節電.com:本日はよろしくお願いいたします。

阿蘇道場:こちらこそ、よろしくお願いします。

-太陽光発電阿蘇道場の目的は何でしょうか。

この研修では、太陽光発電設備を施工する職人の育成ではなく、現地調査からシステム設計、資材調達、工程・施工管理までを一貫して担当する現場代理人と工事の技術管理をおこなう主任技術者の育成を目的としています。
現場代理人は主に多岐にわたる工程管理や発注者とのやり取りを、主任技術者は主に技術管理として現場での指示出し、現場まとめやチェックを行います。研修ではこの両方が出来る人材を育成しています。
太陽光発電の実際の施工を体験するのは、施工業者の立場を経験することにより、より良い施工管理を目指すためです。
さらに、太陽光発電業務の流れや、どういった事をやっているのかを学んでもらいます。
阿蘇道場では、電気設備や折板屋根を利用してどんな作業するのか、どんな点に注意すればいいのか、何が危険なのかという事を体験してもらいます。

-研修期間はどのくらいでしょうか。

1ヶ月間になります。半月が机上研修、残りの半月で実地研修を行っております。研修生たちはそれぞれの職場を離れ、研修に専念できるよう、宿泊施設に泊り込んで共同生活しています。

-道場で行っていることを具体的に教えてください。

まず、机上研修では太陽光発電の概要や構成の説明を行います。また、そもそもなぜモジュールは発電するのか、また、パネルの公称最大出力は、ある決まった共通の測定条件における最大出力に準じて決められていて、STC(スタンダード・テスト・コンディション)という基準があるのですが、この概念など、モジュール温度・パネルの照射面積や角度など本質的な事から詳細までを説明しています。
また、施工管理の立場になる現場代理人・主任技術者としてやるべきこと、具体的には現地調査から積算、物資調達や施工業者選定、技術管理まで幅広い業務を一から学びます。
机上研修の内容を元に、実際に太陽光パネルや各装置を見ながら机上で覚えたことを実際と照らし合わせて理解度を深めていきます。

-1ヶ月間にかなりのボリュームを学ぶことに驚きました。この道場で学んだ後は即戦力ですね。

そうですね、即戦力になってもらうべく、質の高い研修を行っております。
机上研修を実地研修を組み合わせることによって、体に染み込ませるわけです。現場に戻って実際にその場面になったときに思い出して活かしてほしいです。
準備7割、本番3割が大事だといいますが、まさにその通りです。

-現在研修しているのは何名でしょうか?

開講以来、ほぼ毎月開催しており、2013年7月度は13名です。昨年は既に100名が受講しており、今年も65名が受講予定です。

-受講生の年齢層を教えてください。

太陽光発電以外の業務に携わっていたベテランが多いですね。40~50代が中心です。その中で若い人ももちろんおりまして、最近では今年の5月に20代女性が受講し、既に現場で活躍しています。

より高度に、より正確に 〜プロとしての自覚〜

研修生自らが考案した治具を使用して太陽光パネルを設置している場面です。

-実地研修でのエピソードを教えてください。

ある班が太陽光パネルを合わせる際にできる隙間を均一にする治具を自作してきました。太陽光パネルの隙間と隙間の位置を確認するために必要だったようです。
この研修生たちは、なぜ自作までして治具を作ったかといいますと、太陽光パネルの位置取りは非常に難しいからです。2回、3回と調整を繰り返してようやく綺麗に設置しているというのが実情です。
仮に1mmずれてしまうと、10枚目で1cmもずれてしまうのです。規模の大きい太陽光発電設備になるとパネルが何十枚、何百枚とあるので差異が大きくなります。ミリ単位の誤差も許されない世界なのです。研修で使用する太陽光パネルの取り付け面積は大きくないのですが、それでも1mmずれるとかなり歪んでしまいます。太陽光パネルの取り付けがどれだけ大変なのかを身をもって体験することが、現場に出たときに大きな力になるのです。それを一度で正確に設置する方法は何かと思案した結果、隙間を均一にする治具を思いついたようです。
このように、研修の現場からのアイディアが出て、良いものはどんどん取り入れよう!改善していこう!という高い意識があるのが、我々の強みであり、最大の特徴でもあります。

施工現場を取り仕切る 〜現場代理人・主任技術者の存在はなぜ大切なのか〜

-現場代理人や主任技術者とは何をする人なのでしょうか?

工事現場の取締りのほか、工事の施工及び契約関係事務に関する一切の事項を処理する者として工事現場に置かれる受注者の代理人のことを言います。実質的に会社社長の代わりに工事一切の責任をもって施工をする者、ということになります。つまり 社長(事業主)の代理人 と言う意味です。
また、主任技術者なるには施工管理技士という国家資格が必要になります。工事規模に応じて1級か2級かというのがありますが法律によって、現場には必ず配置しなければならない、非常に重要な技術者です。
主な役割は、現地調査からスタートしてシステム設計、見積り、口座開設、設備認定、工事業者選定、資材調達、施工計画から実際の施工が始まると安全・工程・施工・品質の技術管理業務を遂行します。
冒頭でもお話ししましたが、受講生には研修後に現場管理人、主任技術者のどちらの役割も担うことが出来るようになるために研修を行っています。
その他に安全責任者、写真管理がいて現場の管理チームが成り立っています。実地研修中はチームを組んでもらい、どの立場も持ち回りですべて経験してもらいます。

-実際の現場では太陽光パネルなどの設置作業は行わないのですか?

実際の現場では、パネルを担いだり取り付けたりする事はありません。現場管理が業務なので工事を一緒に行うことはNGです。

-それではなぜ、阿蘇太陽光発電道場で施工実地研修を行っているのでしょうか?

実際の施工を請け負う業者さんがどのような苦労されているのか分からないでいると、的確な指示を出せないですし、工程管理も出来ないので現場が混乱し、挙句の果てには粗雑な施工が横行してしまうのです。
現場にいながらにして現場が分からない、という事にならないためにも実地研修をする意味は大きいのです。

-なるほど。現場代理人としての責務を果たすためにも、工事業務を経験することはとても大事なことですね。

そうですね。現場代理人は現場代理人で、工程管理と報告の義務があります。主任技術者は主任技術者で、下請け業者が行っている作業に対してある意味ダメ出しとかチェックとか進行上のことを管理します。それぞれの役割に専念してもらうのが筋なのです。
その線引きを曖昧にして現場を管理する側が、良かれと思って工事業務を手伝ってしまうと馴れ合いの風土になってしまい、万一事故が起こってしまった時に責任の所在がはっきりしなくなる恐れがあるのです。

『出来ない』ではなく『やってみよう』 〜チャレンジし続ける姿勢〜

-この研修を通して大切にしていることは何でしょうか?

まずはとにかく失敗してもらうことですね。淡々とこなしてしまうと、出来ると錯覚してしまう恐れがあるためです。
基本的に講師からあまり口を出さないようにしています。どんどんミスや失敗をしてもらって施工の大変さを肌で感じ取ってもらうのが狙いです。
ミスや失敗を振り返って、ではどうすればよかったのかを自分で考えてもらいたいわけです。
その失敗を他の受講生とも共有させます。そうすることによって研修生全員が失敗しないためのリアルな知識や経験が蓄積されていくわけです。
また、太陽光発電の施工に限らずですが、施工現場は各所とのチームワークが非常に大切になってきます。
研修生は全国から来ているので、当然初対面の場合が多いのですが、1ヶ月間同じ時間を共有して、仕事をしていく中でコミュニケーション能力も改めて身につけて欲しいのです。

-現場代理人が、設置工事の研修を受けるというのは他にはない試みのようですね。

そうですね、確かに他では聞いたことがないです。この規模で研修を実施しているのは唯一といってもいいかも知れません。
阿蘇太陽光発電道場は、研修生にとって初めてのことをチャレンジしていく環境です。どの場面においても『出来ない』ではなく、なんとか工夫し周りの協力を仰いで課題を達成する成功体験こそが重要だと捉えています。
我々の風土として、『出来ない』ではなく『やってみよう』というものがあります。それを繰り返して試行錯誤していくうちに、レベルの高い仕事が出来るのです。『出来ません』ではなくて、『やります、やれます、やってみせます』の精神が根付いていますね。
阿蘇道場での研修で得た知識や経験を深め、各人が持っている知識や経験に上乗せしてより良い社会を造ることに貢献できたらこんなに嬉しいことはないです。ここはあくまで研修の場です。研修で失敗するのは問題ではありません。失敗しないより、どんどん新しい事にチャレンジしてほしいです。
通常業務から離れてじっくりと腰をすえて1ヶ月間にわたって太陽光発電について向き合うことができるのは大変意義のあることだと思っています。

我々が目指しているもの 〜安全第一・品質第一〜

-現場代理人や主任技術者として、あるべき姿とは?

我々の行動指針に、安全第一、品質第一というのがあります。企業として、利潤だけでなく品質のいいものを提供して社会に貢献しましょうという大前提があるのです。ただ単にコスト優先とか、効率優先ではなくて、まずは品質を第一に考えて仕事をすればおのずと良いものが出来ますし、良い仕事をすれば自信にもなり、最終的にはお客様にご満足いただけると確信しています。
この理念を元にひとつひとつの仕事を大切にしてもらいたいと思っています。

-研修終了後の受講生に期待していることは何ですか?

この研修は、太陽光発電システムについて体系的に学べる貴重な機会です。何が良くて何が悪いのか、施工のクオリティを左右する基本概念をはっきりさせることが出来るのです。
施工現場でのOJTでも一から十まで全て説明出来ないので、一定期間仕事を離れて研修に集中出来る環境は本当に貴重ですし、施工現場でぶっつけ本番ではないので心構えが出来るのです。

今後ますます太陽光発電の需要が高まります。修了生には現場に戻って更に経験を積んで、最高の品質で施工し最終的には後進に指導できる人材になってもらいたいと考えています。

太陽光発電システムの検証技術や保守サービス向上のためのデータ検証

阿蘇道場では太陽光発電システムの技術検証、信頼性評価試験も行っております。さまざまな太陽光パネルメーカーが設置されており、実際の発電状況を確認しながら性能評価、信頼性評価をおこなう事ができます。
ソーラーパネルは、南向きはもちろんのこと東西向きにも設置されています。設置方向による発電量の多寡も測定しています。これらの実証データ、技術検証結果、信頼性評価結果は、”ソラモニ”遠隔監視保守サービスの開発に活かされています。

阿蘇道場は遠隔監視保守サービスの進化を支えると共に、オーナー様の太陽光発電システムに異常があった場合、より早く発見できる様に、また、少しでも売電ロスを減らす事が出来る様に貢献させて頂いております。

2013年7月度 研修生の皆さん。今後の活躍に期待です!

編集後記

太陽光発電の施工のなかでも重要な役割を担う現場代理人や主任技術者。その現場代理人や主任技術者になる人材が自ら太陽光発電設置工事の研修を受けることにまず驚きました。

現場での各管理業務に留まらず、設備認定の申請や資材の調達、施工計画など業務内容が多岐にわたっているので、この業務を習得するだけでも大変なことです。これらの業務に加えて、実際に太陽光発電の設置工事を経験することで、現場ではミスのないようにコミュニケーションを図り、精度の高い工事運営を行うことが出来るのだと実感しました。

太陽光発電の固定価格買取制度のスタートや国や地方自治体の補助金が充実し、太陽光発電設備の設置を検討されている企業が増えています。この傾向に比例するように施工会社が数多く誕生しました。太陽光発電バブルと言われている最中、せっかく取り付けた太陽光発電システムで施工後トラブルがあちこちで発生しているようです。
導入の際のコストやパネルの性能はもちろん大事ですが、それ以上に『施工の品質』が問われる時代になるのは間違いありません。
このようなトラブルにならないよう、太陽光発電に関する技術や知識を習得できる場を提供している阿蘇太陽光発電道場の存在はとても大きいものだと感じました。
確かな技術力を高度に身に付けて初めて、お客様のニーズに高いレベルでお応えすることが出来ると蓄電・節電.comは考えております。太陽光発電について、総合的な技術研修及びデータ検証を行っている施設が、「阿蘇太陽光発電道場」です。

この道場での研修を活かして各現場での『最高の施工品質』を追求し続ける人材が増えていくのは心強い限りです。蓄電・節電.comでご提供する太陽光発電設備は、彼らによって施工されます。
導入企業様に『安心してまかせられたよ』と言っていただけるよう、日々進化し続けてまいります。