ene-maga:計画的なエネルギー合理化への取り組み

計画的なエネルギー合理化への取り組み
計画的なエネルギー合理化への取り組み

1958年に国内で初めてビル用アルミサッシの製造販売を開始し、アルミ建材を中心にさまざまな事業を展開している不二サッシ様。省エネルギーと快適性を両立する高断熱サッシをはじめ、自然風力換気窓「ウィンブレス-EX」やLEDを組み込んだアルミ建材「アルビーム・エルドロウ」など、製品づくりを通して、持続可能な社会の実現に貢献しています。
オムロン フィールドエンジニアリング(以下、OFE)は、不二サッシ様の千葉工場での大規模太陽光発電所(メガソーラー)開設以来、現在に至るまで、その積極的な環境負荷軽減の取り組みを支援させていただいています。循環型企業を目指す不二サッシ様にエネルギー合理化の取り組みや今後の計画についてお話を伺いました。

千葉工場のメガソーラー
千葉工場のメガソーラー

酒井重信様 執行役員 生産本部長 生産管理部長酒井重信様
執行役員 生産本部長 生産管理部長
菅野禎彦様 環境安全部長菅野禎彦様
環境安全部長

環境方針について
環境方針について

酒井執行役員:不二サッシグループは、新中期経営計画「創造」で2020年とその先の10年を見据えた成長シナリオを描いています。財務だけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)の視点からも企業が評価される時代であり、当社では環境配慮型企業をさらに進めて循環型企業を目指しているところです。
主力事業であるビル・住宅建材の省エネ性能を向上させることで建物の環境性能を高めて、お客様や社会の省エネルギー化に貢献していこうと考えています。また、北海道から沖縄まで全国で事業展開していますので、太陽光発電や省エネ機器の導入を積極的に行うことで地域はもとより社会全体の省エネ化に貢献できる企業でありたいと思っています。

菅野部長:環境方針・行動指針に基づき、環境マネジメントシステムを導入し、グループ全体で取り組んでいます。2001年から大きなエネルギーを使う基幹工場を中心にISO 14001認証を取得して、さらにその対象を広げてきています。2015年にISOが改正され、事業と 環境マネジメントシステム が一体化できるようになりました。2015年版にも適合し、今年は 大きな転換期であると感じています。太陽光発電事業、省エネ、節電を事業の発展にうまく結びつけていきたいと考えています。目標を実現するためには、地道に活動していくことが大切ですので一つひとつ進めています。

環境対応の現状
環境対応の現状

酒井執行役員:2014年に千葉県市原市にある千葉工場で太陽光発電事業を始めました。これに続き2016年には千葉工場で第2発電所を増設し、大阪にある関西不二サッシでも太陽光発電を開始して、現在はこの3カ所で太陽光発電事業を展開しています。製造工程で多くの電力を消費する企業として、再生可能エネルギーによる発電で環境負荷低減に貢献できることを重視しています。
また千葉工場を中心に空調設備や照明の省エネ化も進めています。環境マネジメントシステムによる省エネ化は社会への貢献だけでなく、様々な経費削減にもつながっており、企業の収益にも大きく関わっていますので積極的に取り組んでいるところです。

千葉工場のメガソーラー 第1発電所(右奥)と第2発電所(手前)千葉工場のメガソーラー
第1発電所(右奥)と第2発電所(手前)
関西不二サッシのメガソーラー関西不二サッシのメガソーラー

今まで行った対策と効果
今まで行った対策と効果

2016年度 照明のLED化、コンプレッサの更新・台数制御
菅野部長:2016年から、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の補助金を活用して千葉工場で照明のLED化を進めています。照明の数が多いので、LEDに更新することで、電力コストの低減ができます。着手の段階からOFEに加わっていただきました。複数企業からの提案の中で、非常にコストパフォーマンスの高い提案をされたOFEをパートナーに選びました。第5工場・新ビル工場にある水銀灯887台、蛍光灯441 台交換からスタートし、同年には、工場生産設備のエア供給設備である高圧コンプレッサを低圧コンプレッサへ入替および、台数制御をすることで、より高効率化することができました。 千葉工場内のLED化は2020年までに完了する予定です。 LEDの寿命は長く、工場の高天井におけるランプ交換の手間が省けることも大きな効果となっています。

デマンド監視システムの導入
菅野部長:2017年には、千葉工場で電気使用量の見える化を実施しました。それまで工場全体の電気使用量は見えにくく、電気を管理する担当者以外の人達にも状況をわかってもらうことが大切だと考えました。当初は、電気使用量を常時監視し、デマンドが逼迫した時に警報を配信する機能だけを考えていましたが、最終的には事務所にディスプレイを設置して総合的に見える化されたシステムの構築が、オムロン製のデマンド監視装置により実現することができました。画面の切り替えができ、太陽光発電の発電量を見ることもできます。工場の全員が電気使用量をいつでも確認でき、今では、使いすぎがないか気にかけるようになりました。見える化により、従業員の意識も大きく変わっています。

2017年度 空調設備・照明・コンプレッサの更新
菅野部長:また2017年には環境省のASSET事業(先進対策の効率的実施によるCO2排出量大幅削減事業設備補助事業)の補助金を活用して、千葉工場の空調設備の改善を実施しました。酷暑の今夏は、職場の環境改善に効果を発揮しています。工場の空調機は毎日の運転時間が長いため、ある程度の使用期間を過ぎると、効率の低下やコンプレッサ故障交換等が懸念され、多額なランニングコストが必要となります。高効率の機器を導入することで、エネルギー効率が高まり、電気使用量やCO2排出量の削減になります。当初は、空調設備の更新だけを考えていましたが、建設当時とは工場の使い方がかなり変わっていますので、そのままでは効率よく使うことができないことが課題でした。OFEからは、既存のダクトをうまく流用しながら今の状況に合わせて変更する提案をいただきました。ASSETの申請もサポートしていただき、初期投資を抑えながら、空調効率の向上が実現できました。
このタイミングでLED化は第二弾として第5工場の水銀灯を324台交換しました。併せて、新ビル工場生産設備のエア供給設備であるコンプレッサを更新し、台数制御を実施することで、より電力量の削減を実現することができました。

照明のLED化(千葉工場)照明のLED化(千葉工場)
高効率の空調設備の導入(千葉工場)高効率の空調設備の導入(千葉工場)

エネルギー対策の展開についてのお考え
エネルギー対策の展開についてのお考え

酒井執行役員:省エネ化を推進しながら事業活動をしているのですが、重要なキーワードとして法規制と補助金制度、そして設備の技術革新があります。企業運営するために法規制は絶対に遵守しなければなりません。その上で設備投資をアシストしてくれる補助金制度の有無や技術革新による優れた省エネ性能をもった設備を選定することになります。この3つに共通していることとして、常に変化し続けていて、これらの最新情報を常に把握し続けることはなかなか難しい面があります。OFEは総合エンジニアリング会社として常に最新情報をしっかり把握していますので、法改正への対応、補助金制度の適用有無、設備の最新開発状況などを積極的に提案いただき、当社の背中を押してもらえればありがたいと思っています。

パートナーシップとしてOFEを選んだ理由
パートナーシップとしてOFEを選んだ理由

酒井執行役員:千葉工場の太陽光発電導入に始まり、当社の環境マネジメントシステムにソリューション的な見地で様々な提案をしてくれる点を大きく評価しています。今後も各事業所において設備機器や建屋の更新が必要になってきます。単に局所的な更新ではなく、屋根の改修に合わせて太陽光発電を導入するなどの総合的で合理的な更新ができればと思っています。すでに導入した3カ所の太陽光発電導入は屋根改修や耐震補強工事をセットにして10年から20年の期間における収支を考慮して総合的な導入提案をしていただきました。今後も不二サッシグループ全体で地域や社会全体へ貢献できるよう様々な提案をいただけることを願っています。常にタイミングよく実施できるとは限りませんが、今後の計画を立案する際の判断材料にさせていただこうと考えています。

菅野部長:当社のさまざまな環境施策をサポートしていただいていますが、感じることは、OFEの提案力の高さです。試算をベースにした投資効果や回収期間などが明確に示されて、プレゼンも的確でわかりやすい。信頼できるパートナーとして、まずはOFEに相談してみようというスタンスです。

今後の展望
今後の展望

菅野部長:2017年度から社会環境報告書をCSR報告書と名称を変えて発行しています。環境はもちろん、ESGに関する当社の活動や商品をステークホルダーに伝えていくことも大切です。先ほどお話した電気使用量の見える化は、グループの従業員だけでなくて、お客様からも注目されています。千葉工場は、アルミの鋳造から加工までアルミサッシの一貫生産を行っています。また東洋一のカーテンウォール(ビル外壁)室内実験設備もあり、ゼネコンを含めてお取引先の方が商品検査や工場見学にいらっしゃいます。最近は採用にも力を入れており、理系の大学生の来訪も増加しています。また定期的に市原市の小学生から高校生まで社会科見学の場として公開しています。
お客様が最初に訪れる新館1階には、太陽光発電の発電量が表示されるモニターを設置していますが、目に見える形で当社のCSR活動を発信することができる良い機会になっています。今年4月に千葉工場内にショールームがオープンし、たくさんの方にご来場いただいていますので、設置場所や演出についてのさらなる改善の提案も期待しています。

酒井執行役員:事業所の省エネ化という面でお力添えをいただいていますが、当社の営業支援という一面でも良きパートナーとなっていただいています。単に省エネ化の相談相手というだけでなく、これを通じてギブアンドテイクの関係にも進化してきています。当社では太陽光発電のアルミ架台を開発・設計していますので、その面でOFEと当社の連携活動もスタートしました。
将来的にはアルミサッシにOFEがもつ技術を組み合わせた新製品ができれば、さらに強固なパートナーシップが構築できる可能性があります。互いにタッグを組むことで1+1が4にも5にもなることを期待しています。

2018年4月に千葉工場内にオープンしたショールーム「FACING ROOM」LEDモジュールを内蔵させた「アルビームシステム」などが展示されている
2018年4月に千葉工場内にオープンしたショールーム「FACING ROOM」
LEDモジュールを内蔵させた「アルビームシステム」などが展示されている

担当者から

千葉工場の空調設備改善では、使い始めてから不満が出たり、後から修正していくことのないように、事前にみなさんのご意見をお聞きして綿密に進めました。不二サッシ様が、使われている人や設備の状況などをヒアリングされ、それを組み立てていただき、当社では技術的にできることを整理していきました。このように営業・設計・施工で一貫して『使われる人のために』という顧客ファーストの意識で対応していることが、結果として不二サッシ様にご満足いただける内容に繋がっているものと思っています。

神林 修
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社 エネルギーマネジメント事業本部
EM商品部 EM商品1課 課長


きっかけは千葉工場の太陽光発電導入でした。5年の間にはいろいろなことがありましたが、信頼をいただいていると感じています。今後も全国の工場で省エネ施策を展開されるご計画ですので、不二サッシ様の事業や事業所の特性に即したご提案をするとともに、不二サッシ様関連事業との連携も加速していきたいと考えております。

大橋弘周
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社 エネルギーマネジメント事業本部
EMエンジニアリングSE部 EMエンジSE1課

左:神林 右:大橋
左:神林 右:大橋

不二サッシグループ様への主な導入実績

■2013年 不二サッシ様 千葉工場 太陽光発電システム (太陽光発電 遠隔監視保守サービス『ソラモニ』)
■2014年 不二サッシ様 千葉工場 LED機器
■2015年 不二サッシ様 千葉工場 太陽光発電システム増設 
関西不二サッシ様 太陽光発電システム
■2016年 不二サッシ様 千葉工場 設備改善(LED機器)(SII補助金)
不二ライトメタル様 東日本事業部 設備改善(コンプレッサ納品)
■2017年 不二サッシ様 千葉工場  デマンド監視 システム
不二サッシ様 千葉工場  設備改善(空調設備更新)(ASSET補助金)

お客様プロフィール

社名 不二サッシ株式会社
設立 昭和5年7月
本社所在地 神奈川県川崎市
事業内容 ビル建材事業/リニューアル事業/住宅建材事業/アルミ形材・アルミ加工品事業/環境エンジニアリング事業/ユニットハウス・防災関連事業/LED事業/海外事業
URL http://www.fujisash.co.jp