介護報酬制度改定により厚生労働省は2024年迄に介護事業者の全事業所に対しBCP策定を完全義務化しました。
昨今の地球温暖化、気候危機、それに伴い毎年のように発生している重大な自然災害。避難困難者を多数抱える介護施設や医療施設では、被害を受けてもライフラインを維持し、入居者の安全を確保するために、さまざまな状況を想定した事前の「備え」がますます重要視されています。
大規模自然災害時の電力復旧状況
東日本大震災に見舞われた東北地方において、当時、地震発生の3日後までに停電復旧したのは全体の80%にとどまりました。
- 電力復旧状況(東北電力管内)
- このように、災害による被害を受けた時でも入居者の安全を確保するためには最低3日間以上の電力を確保することが必須となります。そのために事前の備えとしてまず必要になるのは、空調や照明など設備の定期的な点検と計画的な更新です。設備の老朽化やそれによる故障が起きると、修理にはそれ相応の時間がかかり、必要な時に必要な設備が使用できないといった事態に陥ることが想定できます。つまり災害時でなくとも、昨今の異常気象の中では、設備故障が施設内の環境を悪化させるだけでなく、人命にすら関わってくるのです。さらに、介護報酬制度改定により介護事業者の全事業所に対し2024年度までのBCP策定が義務化され、各施設にとって、設備の見直しを含めたBCP対策の計画策定が急務となっているのです。
LPガス災害バルク補助金を活用した老朽更新と災害対策の両立
LPガス災害バルクは、劣化しないLPガスを備蓄するバルク貯槽と供給設備が一体となった設備。LPガス発電機と組み合わせることで、災害発生時に系統電力等のインフラ供給が途絶した場合でも、代替継続が可能なため、避難困難な入居者の安全が確保できます。
- LPガス災害バルク補助金は、自衛的な燃料備蓄のためにLPガス災害バルク等の設置に要する経費の一部を補助する国の補助事業です。LPガスバルク貯槽の他、発電関連の電気機器、自立型GHPエアコン、給湯器や炊出し設備等の燃焼機器ユニット、簡易スタンドユニット等が補助対象となります。災害対策での設備の新設や更新は、事業者にとって経済的な負担増に繋がります。このような補助金の活用は、事業者の設備導入負担を軽減するメリットとなります。
特別養護老人ホーム天橋の郷様の事例映像
LPガス災害バルク補助金を活用した災害対策と設備の老朽化更新により、有事の際のライフラインの維持だけでなく、避難所としての運用も可能にした京都府宮津市の特別養護老人ホーム天橋の郷様の事例映像(全編)を配信中です。ぜひご視聴ください。
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BCP対策の鍵「災害発生時の電源確保」に関するご相談は弊社まで
設備の導入や更新は、計画の初期段階からノウハウを有するプロのパートナーと協働するのが得策です。ガス設備の設計・施工だけでなく、災害時の施設運用計画策定や発電機等の運用コンサル、電気回路設計・施工のノウハウなども必要になってきます。実績とノウハウのある弊社にご相談ください。