施工主様情報
企業名 | 共英製鋼株式会社 |
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設立 | 1947 年 8 月 |
本部所在地 | 大阪府大阪市北区 |
事業内容 | ・鋼片、各種鋼材、鉄鋼製品の製造・加工・販売 ・一般・産業廃棄物、医療廃棄物の収集・運搬・処分業および自動車リサイクル事業ならびに廃棄物再生資源化事業 ・鉄筋・ねじ節鉄筋加工と組立工事 ・鉄鋼製造プラントの設計および鉄鋼製造技術の販売 |
ホームページ | https://www.kyoeisteel.co.jp/ja/index.html |
施工内容
施工場所 | 共英製鋼株式会社 枚方事業所 製品倉庫(屋根) |
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施工内容 | 自家消費型太陽光発電の導入 パネル容量:443kW |
施工期間 | 2ヶ月間(2021 年 12 月 - 2022 年 1 月) |
共英製鋼株式会社様は、国内外における鉄鋼事業を中核としながら、さらにその溶融技術を活かした環境リサイクル事業を展開する電炉メーカーです。今回は自家消費型太陽光発電システムを導入された枚方事業所の副事業所長を務められる執行役員の藤岡進一様にお話を伺いました。
事業について
− まずは御社の事業についてお聞かせください。
当社は国内外において鉄鋼事業を展開する鉄鋼メーカーとして今年が創立75周年となります。鉄鋼メーカーは大きく「高炉メーカー」と「電炉メーカー」の2つに分けることができるのですが、鉄鉱石を主原料として鉄を製造する「高炉メーカー」に対し、当社は電炉を使って製品としての役割を終えたいわゆる鉄スクラップを原料として再利用し鉄を製造する「電炉メーカー」です。当社が製造する鉄筋コンクリート棒鋼は、シェアですと製造量も販売量においても日本ではナンバーワンとなっています。また鉄スクラップを電炉で溶解する際に発生する高温の熱を利用した環境リサイクル事業も展開しています。
− 藤岡様は環境リサイクル部長でもいらっしゃいますが、環境リサイクル事業についても詳しく教えてください。
わかりやすく言いますと産業廃棄物の処理を行っております。他と異なるのは鉄スクラップを溶かす電気炉を使って鉄を製造しながら、合わせてそこで電気を使って廃棄物を処理する溶融処理です。もともとのスタートは昭和の終わり頃になりますが、当時は社会問題にもなっていた処理の難しい注射針のような感染性の医療廃棄物を、鉄スクラップを電炉で溶かす際に発生する3,000度から6,000度に及ぶ高温のアーク熱を有効利用することで、適切に完全無害化溶融するという処理方法を開発したことですね。これは山口事業所で開発したのですが、以来、電炉をコアにさまざまな廃棄物を安全かつ確実に処理するための総合リサイクルシステムを展開するのが環境リサイクル事業です。
導入までの背景 / 課題
− 今回、自家消費型太陽光発電システムを導入を決定された経緯を教えてください。
政府が掲げる2050年の温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標に沿って、当社グループでは「2030年度のCO2排出量を2013年度対比50%削減」という目標を掲げ、2021年度から始まった中期経営計画「NeXuS 2023」に具体的な施策を織込んでいます。
50%削減に対して、省エネルギーや環境負荷の低い燃料への転換などで47%までは折り込めていました。
残り3%を再生可能エネルギーの自家発電・自家消費や緑化事業の推進等で賄えないかと考えました。
− 具体的な課題のようなものはお持ちだったのでしょうか?
CO2排出量を削減したいのですが、FITなど固定買取り制度の買取価格は下がっているため、自家消費を前提に事業採算性が担保できるかが重要な課題でした。
− 導入を決定されたポイントをお聞かせください。
他社太陽光発電設備の導入例を調査したり、数社からのご提案を聞いた結果、施工コストの改善がめざましく自家発電・自家消費で電力コストが削減できると判断でき、導入を決定しました。
− どのような効果を期待されて決定されましたか?
当社は、電炉メーカーでありスクラップの溶解などに多くの電力を消費します。今回の発電設備だけでは、全電力消費量に対する効果は限定的ですが、太陽光発電による自家発電・自家消費で事業採算性が担保できるという実証モデルになれば今後さらに他事業所に拡大していけると考えました。
オムロン フィールドエンジニアリング(OFE)について
− 施工のパートナーにOFEを選ばれた理由を教えてください。
ヘルプデスクによる常時監視、データ分析、発電ロス診断を行って頂ける「ソラモニ」の利便性が魅力でした。また、豊富な実績がある点でも信頼感があると感じました。
− OFEの提案内容や施工には、どのようなご感想をもたれましたか?
今回、「二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金」を申請して行ったため、工期が厳しかったのですが、調達、施工とも迅速にご対応いただき助かりました。
今後の展望・取り組み・導入後の課題について
− 今後も対策を積極的に進められると思いますが、その展望をお聞かせください。
TCFDに沿って情報開示(※)しているように、当社グループのリスクとして、炭素税の増加や排出権取引などのカーボンプライス導入を強く認識しています。また、電力会社の電源構成における再生可能エネルギー比率の増加による電力コストの上昇も懸念されます。 今回、現状の電力単価でも太陽光発電による自家発電・自家消費で事業採算性が担保できることが分かりました。当社の他事業所に対しても導入の実証モデルとなったため、CO2排出量削減と電力スト低減のため、場所と機会があればどんどん設置していきたいと考えています。
[2022.02.04]
(※)
KYOEI STEEL REPORT 2021 P23-26
「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った取り組み」参照
ご要望事項の実現
共英製鋼様とは2015年の夏、倉庫棟へ100kWの全量買取制度の太陽光発電システムを、弊社で導入させていただいてからのお付き合いとなります。2021年8月に新倉庫棟が竣工し、自家消費の太陽光発電システム導入を検討されるという事で、弊社にお声をかけていただきました。当初はPPAスキーム、自家消費スキームとさまざまな検討をされ、最終的に補助金を活用した自家消費での導入という弊社提案でご決定をいただきました。ご内示をいただいてから約2週間で補助金申請、交付決定からの工期は1.5ヶ月とタイトな状況でしたが、共英製鋼様には工期までに完了させるという強いご意志があり、工事期間中もスケジュール調整など柔軟にご対応いただきました。幸い工事中は天候に恵まれ、事故もなく予定通り完成することが出来ました。
共英製鋼様は大量の電気を使用し電気炉を稼働されています。今後も積極的な再エネの導入をお考えですので、弊社もご協力したいと考えております。引き続きよろしくお願い申し上げます。
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社
エネルギーマネジメント事業本部 EMエンジニアリングSE部 EMエンジSE2課
営業担当 井本 泰雄