脱炭素社会への挑戦
「脱炭素ソリューション 〜 企業としてできること 〜」日経産業新聞フォーラムレポート
世界においては、COP21で2015年に採択されたパリ協定を契機に「脱炭素化」への実践を企業に求める動きが高まり、我が国においても、企業は菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、さらなる「脱炭素化」の実現に向けた経営戦略を立案しています。このように、環境に対する企業の取り組みが重要視されていることを念頭に、2021年8月20日(金)、オンラインにて、日本経済新聞社主催・日経産業新聞フォーラム『「脱炭素社会への挑戦」脱炭素時代を生き抜く環境経営 ~変える企業意識 変えるエネルギーの使い方~』が開催されました。
「環境経営」に効くソリューションについて解説しました
本フォーラムでは、有識者が「脱炭素化」に関する世界と日本の最新動向を紹介し、複数の企業が異なる立場で「脱炭素化」の取り組みや方向性を最新の事例や具体的なソリューションとともに解説するなど、さまざまな視点でプレゼンテーションがおこなわれました。当社も「脱炭素ソリューション 〜 企業としてできること 〜」と題し、脱炭素は企業にとって、コスト負担ではなく成長の機会と捉える時代となった昨今、私たち企業がどのような取り組みを進めているのか?企業経営において重要となる全体最適を考え、最も効果的な取り組みをタイムリーに実施することとは?といった「環境経営」に効くソリューションについて具体的な事例を交えてプレゼンテーションさせていただきました。
脱炭素化を実現する「環境経営」の実践と直面する問題点
脱炭素化への取り組みが重要視される昨今では「環境経営」はすでに周知されてきており、多くの方々が自社での取り組みについて検討したり、すでに推進したりしています。いまやそれは一部の大規模な企業のみにおいてではなく、サプライチェーン全体に影響を及ぼすものとなってきていることも周知の事実と言えるでしょう。それは昨今の「ESG投資」の進展やそれに伴う国際的なイニシアチブの拡がりをみても明らかです。では私たち企業が「環境経営」を実践する上で直面する問題点とは?その解決策は?それを十分に検討することが重要です。
最大効果を生み出すポイントと実行プロセス
例えば徹底した省エネの実践や再エネの敷き詰めといったように、どんな方法で、どんな考え方で、環境対策を進めていくのかが決まったらそれを実行するための精度の高い計画を策定し、それに沿ってしっかりと実行することが重要です。それによって最大効果を生み出すことに近づきます。
当社ではこのような実行プロセスの策定から最大効果に近づける戦略の立案を、実施する企業に最適な形で提案しており、それに沿ったエンジニアリングによって戦略を実行します。
実践に際し浮上する投資への不安と解決策
では環境対策を進める上で、どれだけの環境投資が必要なのか?それに対しどの程度の投資が可能なのか?環境投資を行うことで本来の事業に対しデメリットやダメージはないのか?といった不安は少なからずあるかと思います。そうでなくとも現時点では収束が見えない新型感染症による企業業績等の先行き不安もあり、環境投資を即断するのが難しい状況になっていると言えるでしょう。そのような投資の課題を解決する環境対策のひとつが、初期投資不要のPPAスキーム(第三者所有モデル)を活用した再生可能エネルギーの導入です。
例えば、自社の工場や事業場に太陽光発電システムを導入する場合は、自社にて投資を行ない自社の設備として所有し運用するのが一般的です。しかしこのPPAスキームは、PPA事業者が太陽光発電システムの所有者となり、電力の使用者である企業からその企業が所有する屋根や駐車場、遊休地などを設置スペースとして借りて設備を導入します。これによりPPA事業者が太陽光発電システムによる電力を企業に供給し、企業はその電力使用量に応じた電気料金をPPA事業者に支払います。最近はこのようなモデルが活発化し、世界各国の企業で採用されています。やはり初期投資ゼロ、メンテナンス費ゼロ、という費用面の大きなメリットと再エネ電力使用率の向上が魅力となります。
再エネ電力の使用比率最大化を実現するソリューション
脱炭素化を進めるにあたり、多くの企業がまず1番に再生可能エネルギーによる電力の使用比率最大化を検討しています。日本において経済性や法律による規制面等を考慮すると、導入を検討しやすいのはやはり太陽光発電システムとなります。その場合でも、投資費用とのバランスや設置場所の確保といった課題が浮かび上がってきます。そこで、屋根のない広大な駐車場スペースを活用し、カーポート型の太陽光発電システムを導入したソリューション事例がこちらです。
余剰電力を抑える蓄電池とEMSを活用した再エネ利用
再生可能エネルギーの導入を検討していく中で、自社の工場や事業場などの施設で使用する電力と発電する電力とのバランスを考えることも必要です。電力を多く使用しない非操業時(土日などの休業日)に発電する分の再エネ電力が余剰(無駄)となってしまう。あるいは、昼間よりも夜間の方が使用電力の多い施設にとって、夜間に発電しない太陽光発電システムでは再エネ比率の向上に繋げることができず、投資に無駄が発生することになります。このような課題に対し解決策として利用するのが蓄電池とEMSです。太陽光発電システムを導入し蓄電池とEMSを活用して余剰電力を抑え、BCP対策を実現したソリューション事例がこちらです。
脱炭素化を進める「環境経営」が企業成長を牽引
脱炭素化の実現には全体を把握し全体最適を目指すことと、計画的な実行が鍵となります。「環境経営」を推進することで経営基盤の強化や企業価値の向上が期待でき、企業成長を牽引することになるのです。
脱炭素化の実現と環境経営について詳しく知りたい、再生可能エネルギーの導入によるCO2削減を検討している、非常時の電源確保などBCP対策について悩んでいる、といった企業の方々をはじめ、エネルギー対策とそれを軸とする経営戦略の推進について課題をお持ちの方、ご興味のある方は、当社までお気軽にご相談ください。
【執筆者情報】
脱炭素ソリューション.com 編集部
脱炭素ソリューション.comが運営する「エネタメ」は、オムロン フィールドエンジニアリング株式会社のエネルギーマネジメントに関する豊富な実績とノウハウを活かした専門的な情報や、再生可能エネルギー、蓄電池、災害対策、省エネソリューション、補助金などのコンテンツを中心に、脱炭素化/カーボン・ニュートラルの取り組みに役立つ情報を発信しています。